Startup story of PEBBLE BRANDING

市場があるから会社をつくった。 インドでマーケティング会社を経営する鴛渕貴子(Takako Oshibuchi)が、 リアルなインドマーケットを紹介します。

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バンガロールはオーガニックブームがアツイ!
と書いたばかりだけれど
そのアツイはインドの場合、
数をもって見える化され圧倒する。

オーガニックファームを持っている友人が
「Narayan Reddy氏のツアーがあるから一緒に行かないか?」
と誘ってくれたけれど、10人ほどのツアーかなとタカをくくっていたら驚いた。
130人だった。

しかも主催者はここまで集まる事を想定してなかったらしく、
急きょ追加のバスを手配。その場で柔軟に対応する。
これもインドらしい。日本だったらドタ参で100人も上回れば
安全上とかなんとかでお引き取り願うだろう。
因みにこのツアーは有料です。インドは有料イベントが一般的で
しかも集客できる。主催者はさぞ嬉しい悲鳴だったと推察してしまった。

バンガロール中心地から2時間ほどの場所にある
氏のファームは、オーガニックに傾倒のある人なら誰でも知るべき人。
彼は南インドのオーガニックファームのレジェンドと言われているからである。

私も何度も会っている。
白髪でユーモラスなジョークを交えながらのレクチャーは
皆興味しんしん。毎回イベントでは司会者がやきもきして、氏がそれを横目に
場を盛り上げる掛け合いが面白くて人気が伺える。
でも半分くらいカンナダ語で話されちゃうから、少なくとも半分は理解できない。

Narayan Reddy氏について。
1972年に小さなファームからスタートした南インドのオーガニックファーム立役者。
最初の一年は、インドの銀行にケミカルファーム用のローンしかなかったので
ケミカルファームよりスタート。
しかし翌年からずっとオーガニックファーム一筋で運営してきたそうです。
当初は売上げもなく厳しい年が続いたそうですが
オーガニックファームの書籍を読みあさり
エコロジカルな農業をはじめる。
8年かけて200フィートの植林をつくり、その後時代が変化し
ドラスティックに売上げを上げていったそう。

彼が参考にした書籍が実は日本と多いに関係しているのです。

福岡正信氏。彼は「不耕起、無肥料、無農薬、無除草を特徴とする自然農法」を世界中で広めた
農学者です。オーガニックファームを経営しているインド人も
インドで有名な日本人として上げています。

そんな背景と、高度成長期をむかえているインドを見直すかのように
食と環境について声を上げる人が台頭してきている。
とても面白い現象だなと思う。
経済発展を押し進める一方、自然に豊かな生活を見直す傾向が同時にトレンドになっている。

そして、後者の面白いところは
若者がITやマーケティングを駆使して
Narayan氏のようなレジェンドと共同でビジネス化を模索しているのだ。

今回の視察は、完全にオフィシャルで
ボランティアではない。

この会を主催する組織が、カルナタカ州のオーガニックファームを活性化させる為のプロジェクト。
もっと端的に言えば、小口の投資を募集しているのである。
ビジネスモデルを小さなファーマーに向けて解りやすくレクチャーする。
豊かな生活をつくる為に、器を組み立ててるのだ。
これは正しいと思う。
インドはでかい。人を動かす、そして仕組みを変える事は並大抵の事ではない。
このようにパイをまとめて大きな波をつくることが有効だと思う。
一番大事なのは、ファームも組織も個人もマネタイズできる仕組みをつくることだ。
ボランティアや政府の取り組みも大事な側面だが、現実問題、解決に結びつきにくいのだ。

そして、我が「InBento」もプレゼンさせてもらった。
「InBento」はインドのオーガニックをプロモートするツールになる。
オーガニックファームが今後さらに増加し、そしてそれを流通させる窓口をつくり
市場が活性化する流れになる。その一翼になりますと話した。
そしてその後、早速各ファームからリアクションが殺到した。
このリアクションのスピード、これがインド。

セコイアが今年度の投資分野の見通しを発表した。

この10年の間、彼らはインドのスタートアップに1652億円を投資した。
タクシー配車サービスのOLAcabs,総合電機メーカーのMicromax,
そして飲食店のレーティングサイトzomato が含まれている。

投資された会社に共通した戦略は
アップルやGoogle、LinkedInやWhatsAppのように、
インドからスタートして海外にスケールする巨大なポートフォリオを描いていることだ。

現に、2008年にスタートしたzomatoは粛々とグローバル展開を進めていて、
現在は世界23国、10,000の都市にサービスを展開している。

セコイアが今注目しているのは、BtoC市場だ。
既に消費者向けの健康市場に投資をし
さらに食品、飲料、パーソナルケア、製薬市場に注目している。

飲料分野では早々の動きを見せた。
今年に入ってインドのクラフトビールブランドの 
B9 Beveragesに6億円投資したのだ。
彼らは既にDelhi, Mumbai, Bengaluru, Kolkata, Goa, Pune and Chandigarhの7つの都市で展開している。

インドにおけるクラフトビールの消費はまだ初期のフェーズ。
その中でB9 Beveragesはクラフトビールを購入しやすい価格で戦略し
市場に風穴をあけた。

2015年、バンガロールでもクラフトビールブームが起きた。
インド人のスタートアップのハードルの低さは目の辺りにしているが
クラフトビールバーが乱立したのだ。

インドの人の友人も、去年コラマンガラでクラフトビールバーを始めた。
決して特別な事ではなく、いとも簡単にさらっとスタートしてしまう。

クラフトビールの急激な市場席巻により、大手のビール会社は商品ラインナップを増やした。
kingfisherの牙城であったはずのインドのビール市場が動きはじめたのだ。

飲食店のメニューが変わった。
kingfisherを置いていない店が増えたのだ。一昨年にはあり得ない。

コンペティターが並ぶと、マーケティングが必要になる。
同時発的に、去年から毎週のようにフードイベントが開催されるようになった。

フードイベントはマーケティングの場所だ。
老舗も新興も土俵は同じ。

写真はファーマーズイベントの様子。
老舗の酪農発のミルクブランドと、アメリカ人が南インドでチーズの小売りをスタート。
デリーからバンガロールに進出するミールブランドなど。

そして、こういったイベントのスポンサーは
ビールメーカーが主体なのだ。

ビールメーカーは「飲料」としての戦略ではなく、
「食品」として競合を捉えてる節がある。
これは成熟前の市場においては正しくて
逆に言うと、このタイミングで大手メーカーと
同じ足並みでプレゼンスをあげる事ができるのだ。

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世界的に食の安全、健康など
ファストフードが淘汰され、
新しい食の時代がはじまる過渡期を迎えています。

インドも例外ではありません。

現在、オーガニック市場は200億円と言われていますが、
2020年には1604億8000万円市場に拡大すると言われています。
4年で8倍です。

この15年の間「何を食べるべきで食のメカニズムがどうなっているのか」という
意識が低かった時代がありました。
しかし、食生活の改善で身体を健康にしていくという意識が
ここ数年で高くなっていったのです。

インドは元々伝統的な食事療法による食生活がベースですが
またそれを見直す動きが出ています。

ITの普及と食の多様化が進む中、
先頭を走ってるのがBigbascketです。
彼らの顧客データに上記の潮流はしっかり出ていて
顧客の20%がオーガニック商品を購入するようになっています。

2016年から2022年の間に
62%のオンラインマーケットが拡大すると予測されています。

特に、バンガロールはオンライングローサリーの
キーマーケットとして、牽引していくと予測されていて
ムンバイとデリーは追随すると言われています。

去年から新しい事業でバンガロール近郊のオーガニックファームをまわっていて
彼らの丁寧なものづくりに、インドの農業のポテンシャルを感じています。

ただ、そうはいっても現時点はまだスタートライン。
「オーガニック」が完全に認知されているとは言い難く
今後、啓蒙と商品開発が重要になってくるのです。

インドの消費者の生活嗜好の変化による需要と、
供給側の商品価値をつなぐパイプとして
弊社のブランド「InBento」が機能していく役目を担っていきます。

バンガロールはインドのシリコンバレーと言われていますが、
オーガニック市場をブランディングし
ITと食の新しいプラットフォームを創造し
ブランディングしていくことで
地域のプレゼンスを上げていくこと。

「InBento」のブランドポジションは「日本食」ではなく
市場開拓を目的とした「ブランド」なのです。

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バンガロールでもラーメンが食べられる!と
日本人の間でも一瞬話題になった店
「Fatty Bao」
いわゆる日本のラーメンではなく
「アジア風」です。
麺はのびきってるし、正直美味しくありません。
ただ、プレゼンテーションが面白いので
外国人やインド人で未だに混雑しています。

因みに、インドのイタリアンも「アルデンテ」では出てこないので
日本人が感じる「コシ」はインド人にとっては新食感になると思います。

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そんな中、満を持してインドでラーメンに挑戦する
ラーメン屋が登場しました!



インドはベジタリアンとノンベジタリアンが存在します。
ラーメンの出汁は鰹や豚骨などノンベジタリアン向けになります。

このラーメン屋は、野菜で出汁をとっているようです。
インド人も納得の美味しさだと言うので楽しみです。

インド人は意外にも味覚には保守的です。
味覚を押し付けるのではなく
マーケティングをし、調整し、時間がかかることを想定することです。
ただ、彼らは一度その味覚を覚えると
ものすごい勢いで広めてくれます。
だからマーケティングとPRが重要なのです。

新興国の水事情は深刻です。
無菌状態で生活している我々日本人が、インドに来ると
必ず水・食の洗礼を受けます。

水道水はもちろん、加熱してない水はダメ。
常識ですが、ローカルになればなるほど
氷は外します。

道ばたにジューススタンドがありますが
完全に100%ジュースでないと危ない。
むしろ果汁比率で言えば、インドの方が日本のジュースより
100%が主流なのです。



もちろん、自動販売機もありません。
飲み物はキラナショップと言われるコンビニのような雑貨店で購入するか
スーパーで購入するかの2択になります。


しかし、なんと、インドの「手動販売機」がありました!

その様子からフレッシュであることを確認したので
購入してみました。
基本はサトウキビジュースでオプションで
マサラ、ライム、ジンジャー‥と選べます。
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マシンの側面からサトウキビを入れていきます。



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100%果汁なので安心です。





 

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